解体にかかる時間

先日チャットで「どのくらい時間かかりますか?」って聞かれて適当に「10分くらい」って答えたら驚かれたんですけれども。

今日、実際に時間を計ってみました。
アイロンのスイッチを入れてから温まるまでに時間がかかるので、1冊目は多少長め。

アイロンに背表紙をあて始めてから、溶けた糊があふれてくるまで(分かりにくくてごめんなさい)約1分
自炊 5
この段階で、手早く表紙と本文を分離します。
自炊 007
その後、本文側に残った糊をキッチンペーパーに吸わせるので、5秒程度×4・5回くらい。
長時間同じ所で吸わせてると、本文側に糊が入りこんでしまうので、細かく吸わせる位置を変える。
糊を吸わせた後はこんな感じ。ちなみにこちらは無線綴じです。
IMG_2772
キッチンぺーパーに糊が付着しなくなったら、新しいキッチンペーパーを使って、アイロンに背表紙を当てつつ1枚1枚ページを剥がしていきます。
ここで5分くらい?
分離後。若干紙が膨らんでるのが分かって頂けるでしょうか。
IMG_2773

アイロンが温まった状態から始めるとしたら、
糊が溶けるのにに30~45秒、表紙と本文分離後、糊吸わせるので1分、あとはページ分離で4~5分。
7分弱で1冊分の解体が終わりました。

アジロ綴じになると手間が増えます。
前述したとおり、普通の単行本なら16ページ一組×○折という感じで製本されているので、まずは折単位で分離。
IMG_2769
途中で糊がべったりなページがあってちょっと萎えたorz これもあとでカッターでこそげ取り対象(下記参照)
IMG_2768
ここで2~3分。
その後、ページを広げて1枚ずつ(ページはくっついたまま)に分離。これで3分くらい。
分離後の背表紙側。切れ込み状態なのが分かるかな?
IMG_2779
くっついたページをカッターで分離→2~3分
無理に引っ張ると破けるので、出来るだけちゃんと刃物を使ったほうがいいです。(経験談)
カッターで分離後の背表紙側。
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ここまで盛り上がるとスキャナーに引っかかるので後でカッターでこそげ取ります。
IMG_2780
本によってあったりなかったりなので多く見積もって5分くらい。
アジロ綴じでもかかって20分くらい。大体15分あれば1冊終わります。

おまけ。糊を吸わせたキッチンペーパーの残骸
IMG_2775
糊がのってるの分かるかなー?
最初に表紙中の糊取り用→背表紙当て用→本文糊吸わせでフル活用。1枚で4冊分くらい吸わせます。

スムーズに行かない方は、アイロンの温度を変えてみたりキッチンペーパーの種類を変えてみたりするといいかもしれません。

製本(綴じ方)について。

綴じ方は、出版社によって若干異なります。
主に二種類「アジロ綴じ」「無線綴じ」です。

アジロ綴じは
IMG_1680
こんな風に折られた紙が束になって、折り目部分に切れ込みが入った状態で糊づけされた綴じ方です。
この1つの束を「折」と呼びまして、コミックスは大体9折~12折くらいで1冊になります。(どうでもいい情報)

解体経験がある方は分かると思いますが、折の外側と一番内側(ピンクのラインの部分)
IMG_1682
IMG_1683
にやたら糊がのってて解体にいつも手間がかかります。切らなきゃいけないしね。

無線綴じは、アジロ綴じの切れ込み部分をバッサリ断裁して(削ってるという話も聞く)断面に溝をつけて糊づけした綴じ方です。
糊さえ取れれば特に問題ないので、解体する際は非常に扱いやすいです。

どっかにレーベル別の綴じメモあった気がするんだけどどこ行ったかなぁ(ごそごそ
探しておきます。

DLの強い味方「Mipony」

ダウンロード支援ソフトって言えばいいのかな?
リンクをコピペするだけでファイルを探してくれる。んでもって簡単操作でDL出来る。
今回も大活躍!w

DLやインストールの仕方は
http://amaebi.net/archives/2080600.html
この辺が分かりやすいかな?
対応ドメインは↓
http://www.mipony.net/jp/download.php
mega.co.nzとsheard.comに対応してるので、ここにUPられてるのはMipony任せでした☆
sendspaceも対応してて、一度ページ開いて直リンクのとこのURLをコピペすればOK

画面開いてDL待つよりはだいぶ楽だと思うんですがどうでしょうか。

自炊手順[画像抽出 PDF-XChange Viewer編]

これまで紹介した工程
解体
スキャン
・画像抽出 その1
画像処理

現在はAcrobatを利用していますが、このソフトが手元になかった頃はフリーソフトの「PDF-XChange Viewer」を利用していました。
本来はタブ切り替え式PDFビューアーとして使用するソフトです。

DL先
http://www.forest.impress.co.jp/library/software/pdfxchange/
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/writing/se492489.html

またいつ使うとも分からないので覚書として。

<pdfファイルから画像を抽出>
PDF-XChange Viewerを起動して、スキャンしたpdfデータを開く
0c092e
ファイル(F)→エクスポート(R)→イメージへエクスポートd7959e
作業ウィンドウが開いたら「オプション」を選択
92c9ad
モノカラーの場合は「Gray(8dpp)」を選択
フルカラーの場合は「True Color(24dpp)」を選択fcad6b
保存先・解像度(当時は常に300dpi)・ファイル名・イメージの種類・ページ範囲等、必要事項を入力して「エクスポート」を選択
4ce27b
作業完了まで待つ
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今はどうか分かりませんが、使っていた当時はクッソ重くて他の作業がままなりませんでした。
PCスペックの問題もあったのでしょうが、今は少しでも改善されているといいのですが。

自炊手順[画像抽出 Adobe Acrobat編]

これまで紹介した工程
解体
スキャン
画像抽出 その2
画像処理
印付

<pdfファイルから画像を抽出>
使用ソフト:Adobe acrobat
スキャンしたpdfデータを開く
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ファイル(F)→名前を付けて保存(A)→画像(I)→PNG(P)
032
1作品1フォルダで作業
33
任意の保管場所を指定して「保存」選択
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あとは抽出完了まで放置

※抽出時に解像度を変更する設定も存在しますが、私はスキャン時に設定を済ませてしまうのでAcrobatでは純粋に画像抽出のみ(設定はデフォルト)を行っています。

ダンボール箱で大判コミックス収納。

用意するもの
・飲料1.5リットル×8本のダンボールケース(ペプシよりコカ・コーラの方がオススメ)

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・40cm定規
・カッター
・はさみ
・目印つけるためのペン

まずふつーのダンボール。天辺をガムテープでふさいで
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ひっくり返して底を開いて使用します。(取っ手部分を残すため)
IMG_2663
貼り合わせ部分(段ボールが二重になってるところ)を奥側にして作業開始
底側から14~14.5cmのラインで手前をざっくり切って、それ基準に袖を切る。大きさはお好みで。大きい方が丈夫かも?
蓋は全部使うので切らずにそのまま全部残す。

折ったときのダンボールの厚みを計算に入れて、それぞれの角部分を3mm~5mmずつくらい切り落としてスキマを作る。
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切り離した辺の付け根に定規で折り目をつける
IMG_2650
蓋部分は、付け根を一旦折ってみて、内側に入るように折り目をつける
角部分はカーブつけて切り落とすと蓋を収納しやすくなる
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完成。
IMG_2671
いつ捨ててもいいように私はそのまま使用。

中身はこんな感じで詰められます。
IMG2670

前回よりの修正点:取っ手部分を残すことによって持ち運びが楽になりました
IMG_2672

3段までなら一番下もつぶれずに詰めます(4段目でちょっと怪しくなってた)

※2L×6の箱でもいけるけど、ボトルの向きに注意
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保管に困ったら、一時しのぎでも有効ではないかと思います。

自炊手順[画像処理編]

<画像処理>
使用ソフト:Adobe PhotoshopCS6 & BridgeCS6
◇まずはPhotoshopの作業環境を自炊仕様に変更
編集(E)→カラー設定→(G)→
・作業スペースで
RGB→sRGB IEC61996-2.1を選択
グレー→sGrayを選択
・カラーマネージメントポリシーで
RGB→作業用RGBに変換
グレー→作業用グレーに変換
プロファイルの不一致→「開く時に確認」のチェックを外す
埋め込みプロファイルなし→「開く時に確認」のチェックを外す
他はそのままでOK

◇本文モノクロ処理
画像処理するフォルダをMini Bridgeで選択<ファイル(F)→mini breageで参照(G) >
→白黒ページのみを一括選択
アクションの使用方法:一括選択した画像右クリ→Photoshop→バッチ→作業窓が開く

◆カラー→グレスケに変換
チャンネルウィンドウ(レイヤーの右側のタブ)を開く→レッドレイヤーを指定(Ctrl+1)→
イメージ(I)→モード(M)→グレースケール(G)
ダイレクトにグレスケ化するより、レッドチャンネル抽出グレスケの方がより白黒に近くなるので、私は赤チャンネル抽出を利用しています。
グレスケは強制で8bit/チャンネルに変更されるので、次の作業のために16bit/チャンネルに戻す
イメージ(I)→モード(M)→16bit/チャンネル

◆レベル補正
白黒作業工程の中で、画面のコントラストを決める一番重要な項目
この操作によってがページ全体が白くもなるし黒くもなるので、バランスが肝心
ページの中で白い部分・黒い部分・グラデの部分が均等にあるような1枚を開く
イメージ(I)→色調補正(A)→レベル補正(Ctrl+L)
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▲は山の左端△は右の黒い部分の高さががはみ出る境目を選択(好みや個人差有)
※作品によってこの白黒度合いが様々なので、個々にアクション登録をすると後々便利
ちなみにこんな感じ
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レベル補正終了後、次の作業のために8bitに戻す
イメージ(I)→モード(M)→8bit/チャンネル

◆ゴミ取り(白飛ばし)
レベル補正で残ったスキャン時のゴミをきれいにする(というかぼかして目立たなくする)
レイヤーを複製→アンシャープマスク(500%, 1.0pixel, 24)→描画色:FFFFFF→色域指定(70)→
コピペしたレイヤー削除→範囲縮小2pixel→範囲拡張1pixel→範囲縮小1pixel→レベル補正で上限値を230くらいに
これ以降の画質加工は自炊wikiにある館の中の人◆SCAN/4rUhQ氏の自炊プロセスをそのまま使用させてもらってます。
やらなくても別に大丈夫だけど、やった方がやっぱり綺麗になるのでこまか~いアクションを登録してあります。長くなるので気になる方はググってプロセスファイルを探してみてください。

◇カラー画像処理
アクション登録でさくっと。
・イメージ(I)→モード(M)→Labカラー(L)
・イメージ(I)→色調補正(A)→レベル補正(Ctrl+L)
白黒と同様。ただし淡い色が多い場合は画像を見つつ白飛ばしの加減が必要
・描画色#FFFFFFを指定→選択範囲(S)→色域指定(C)→許容量:200→OK
・イメージ(I)→色調補正(A)→レベル補正(Ctrl+L)→
真ん中の△(デフォルト:1.0)を0.8~0.6に下げ→範囲解除
・イメージ(I)→モード(M)→RGBカラー(R)
・イメージ(I)→色調補正(A)→色相・彩度(S)→彩度を+10~20くらいまで上げる
淡い色なら余りあげすぎない方が無難 濃い系なら多少赤っぽくてもOK
・イメージ(I)→色調補正(A)→特定色域の選択(S)→
イエロー系:イエロー+20, ブラック+5, 白色系:イエロー+20
カラー自動処理完了

◇ホワイト部分が多いカラーの場合、白黒ページ同様、ゴミ取りもする
・表紙部分以外を長方形選択ツール(M)で範囲選択
・描画色#FFFFFFFを指定→選択範囲(S)→色域指定(C)→許容量:60→OK
・色つきの選択範囲を手動で除外→選択範囲(S)→選択範囲を変更(M)→縮小(C)→1px
・イメージ(I)→色調補正(A)→レベル補正(Ctrl+L)→右の△を山のふもとまで移動→OK
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◇表紙カバーの場合、折り目部分をスタンプで修正(手作業なので一番時間がかかる)

Labモードで作業の場合は、RGBモードに戻してから保存する

◆向きを揃える
エクスプローラーでフォルダ内を表示→あいてるとこ右クリ→表示→大アイコン
たまに横になってるページがあるので、右なり左なりに回転させて向きをそろえる

◆解像度・リサイズ
・画像全部を一括選択
・解像度を600→300へ 高さを2140pxに統一(B6サイズ単行本の場合)
※縦横比の固定のチェックを忘れずに!
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アクション登録をしてバッチ処理をすれば1冊1時間~2時間くらいで終了。
手間がかかるのは最初のアクション登録とスタンプ作業部分だけです。
指示さえ出せばあとはPCが頑張ってくれます。

印付け・トリミング作業に続く

自炊手順[スキャン編]

使用スキャナーは「富士通scansnap ix500」

<表紙カバー・表紙の設定>
アプリ選択:なし
保存先:任意の場所
読み取りモード
画質:スーパーファイン(カラー・グレー300dpi・白黒600dpi)
色:カラー
読み取り面の選択:片面
その他:継続読み取りを有効に
ファイル形式:pdf
原稿:サイズ自動検出を有効に(人によっては無効にしています)
ファイル圧縮率は:3

<本文の設定>
アプリ選択:なし
保存先:任意の場所
読み取りモード
画質:エクセレントン(カラー・グレー600dpi・白黒1200dpi)
色:カラー
読み取り面の選択:両面
その他:継続読み取りを有効に
ファイル形式:pdf
原稿:サイズ自動検出を有効に(人によっては無効にしています)
ファイル圧縮率は一律3

画質が違うので表紙と本文は分けてスキャンします。

表紙カバーと帯は長尺モード(ボタン長押しで有効になる)でスキャン。たまに言うこと聞かないorz
厚紙表紙は普通にスキャン

本文は1冊を4分割くらいして、紙送り部分に積みます。ある程度枚数が減ったら次を追加する。
1冊ごとに読み取り終了をしてpdfファイルを作成

画像処理編へ続く

自炊手順[アイロン解体編]

用意するのはアイロン、キッチンペーパー、カッター、解体する本

・アイロンを温める(温度は絹~毛あたりの中温くらい)
・熱したアイロンの面に、キッチンペーパーを挟んで本の背表紙を押しあてる
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・少しずつ糊が溶けるので柔らかくなりきったら本文側を躊躇せず引っ張る
<本文側> 残った糊はあとで取る
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<表紙側> あとでこの糊も取る
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・本文側を改めてキッチンペーパーを挟んでアイロンの面にあて、キッチンペーパーに糊を吸わせる
※強く押し付けると糊が本文に食い込むので注意
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糊がキッチンペーパーに浸透する前に場所を変えて再度糊を吸わせる(何度か繰り返す)
・糊があらかたなくなったら、背表紙部分を熱しながら1枚ずつ分離していく
・糊の厚みが残ってる部分があったら、アイロンで熱しつつカッターで削ぎ取る
<解体完了>
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表紙側の糊取り
・平らな物の上に表紙(内側が上)を広げてキッチンペーパーを挟み、糊部分にアイロンを押しあてる
・キッチンペーパーで糊を吸いつつ剥がしていく
・それでも残る場合は背表紙を温めカッターで削ぎ取る
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表紙カバーは折り目部分を内側から指の腹で何度か強めになぞって癖をとる
中の表紙と一緒に平らな場所に重しを乗せて広げ、伸ばしてスキャンしやすくする

スキャン編に続く。

Ralphaで画像一括挿入

初めて使う場合は各アイコンにカーソルをあてると何ができるか表示されるので、ひとまず適当にいじってみるといいです。

まずは「Ralpha」を起動
印付けをしたいデータをD&D(ドラッグ&ドロップ)で表示させる(上の方からフォルダやファイル選択も可能)
右下の方にある「画像合成」の右にある歯車(設定)を開く
a
<設定画面>
aa46
設定項目左上から右下へ
・基本前景画像として使用
・ファイルの場所を選択
・画像の配置「左上」「左」「左下」「上」「中」「下」「右上」「右」「右下」の9か所を大まかに選択できる
・オフセットX 上記で選択した場所を基準に横方向で何px動かすか(両方向のためマイナス表示もあり)
・オフセットY 上記で選択した場所を基準に縦方向で何px動かすか(両方向のためマイナス表示もあり)
・不透明度 透明度の変更 100で無透過 0で完全透過(見えない)

必要であれば↓の赤枠部分でプレビュー確認できます
c
気がすんだら↓赤枠部分で「実行」
b

おまけ。一覧表示部分右クリの時に出るメニュー。
「ひとつおきにチェック」は右ページ左ページを選択してノド部分をトリミングとかも出来るのですげー重宝します。
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